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Cryptic Writings
Chapter:2

   第2話 誤解

前回までのあらすじ

  急遽指名手配された柳川。
  それに不自然さを感じた長瀬警部は、すぐに東京へ調査に向かう事になった。
  浩之は格闘を葵に習い始めるのだが…

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Chapter 3

主な登場人物

柳川祐也
  26歳。もしかするとそろそろ、本来の性格からかけ離れそうな気がする。

藤田浩之
 16歳。自信をなくした虎。

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 サンドバックを叩く規則正しい音。
「やぁっ」
 甲高い発頸の声に、大きくサンドバックが揺れる。
 葵は浩之に一通りの技を見せていた。
 一度見学に来たときに既に基礎は練習はしていたのだが。
「…先輩、それじゃやって見せて下さい」
「ああ」
 まず離れた間合いから踏み込む。

  どん

 彼の拳が当たった瞬間、サンドバックがくの字に折れる。
 吊された枝に鎖が食い込み、甲高い軋みを立てる。
 だが、それが戻る間もなくもう片方の拳が伸びる。

  ずん

 先刻葵が見せた連続技ほどキレもなく速度もないが、一発一発の重さは比べるべくもない。以前に練習した時よりも、遙かに重くなっている。
 彼が持っていた素質と、簡単な練習しかこなしていないものの、基礎体力が以前よりつき始めたのだろう。
 そして、最後のハイキックはサンドバックが大きく揺れて、それをくくっている木の枝まで折れるかと思うぐらいしなった。
「おっと」
 慌てて揺れを止めて、彼は葵の方を振り返った。
「…どうだい」
 葵はぼーっとしていた。
 呆然とした表情で、自分の拳を胸の前で合わせていた。
「す」
 浩之は首を傾げる。
「すごいです、すごいですよ先輩!」
 葵は浩之とはスタイルが違う。無論、男と女の差があるのは確かだ。ウェイトも違う。
 それでも今の浩之の技は力と迫力があった。
 彼女は、大人の男の力を見たことがなかったせいもあるが、浩之の技に圧倒された。
「そ、そうかぁ?」
 うかれ気味。
「ええ、全然練習してないなんて信じられないぐらいです」
「でも、こないだ葵ちゃんところにきたぐらいで」
 あとは地味に筋肉トレーニングぐらいか。
 浩之は言おうとしたが、止めた。あまり意味のないことだ。
 葵は目をきらきらさせて浩之を見つめている。
「やっぱり素養があるんですよ。…これだったら私と練習をやるよりも道場に通った方がいいですよ」
「…道場…ねぇ…」
 あまりぴんと来ない物があった。元々自分とは関係ない世界だったのも事実だが、ここで練習したいものもあった。
 自分がこの素質に気がついた所はここであり、その時一緒にいたのが葵だったからだ。
「だったらさ、たしか中国拳法の道場に通ってるじゃない?それに一緒に通うことにするよ」
 葵はうんうんと頷いた。
 それから練習そっちのけで道場の話を始めて…
 気がつくと既に夕方になっていた。
「…それで、師範の方は何度か実際に中国の先生を招いているんです」
 片づけをして、帰りながらも彼女はまだ話をしていた。
――よっぽど好きなんだよな
 珍しいかも知れない。
 その反面、やっぱり羨ましいと思った。
 浩之があくまで手段として追求しているものを、彼女は全く違う見方をしている。
 彼にはなかった。そういうものがまるで。
「…でさ」
 一区切りがついたのを見計らって彼は口を開いた。
「何ですか?」
「道場に行く以外は、葵ちゃんところで練習してて良いよな?」
 え、と驚いたような表情で葵は目を丸くしてしまう。
「…いいんですか?私、大したことなんか教えられませんし」
 続けようとするのを遮って、浩之は首を振った。
「そんなことないって。それに、俺の師範は元から葵ちゃんだし。な、いいだろ?」
 浩之の言葉に葵は戸惑うような顔をしていたが、すこし恥ずかしそうに笑うと両手を前で合わせて立ち止まる。
「そんな、いいえ、こちらからお願いします、先輩」
 ぺこりと御辞儀する彼女。
 こうして、彼は再びエクストリーム同好会で練習する事になった。

「そういうことがあったのね。ふーん」
 綾香はまだしばらく安静が必要だった。
 完全に組織が癒着するまで、予断を許さない状況なのだ。
 と、いうよりも彼女の爺さんに当たる来栖川の会長が退院を許さないらしいのだ。
「どおりで身体が一回りほど変化するはずだわ」
 ここは彼女の病室。
 浩之が見舞いに来るのも習慣になってきていた。
 部屋に入るなり彼の差に気がついて、格闘技を始めた事を打ち明けたのだ。
 隠しても仕方のないことだし。
「ジムにも通ってるからな、確かにがっしりして見えるかも知れない」
 最近、自分でも身体の変化に気がついている。
 サッカーをやってきた頃とは違う筋肉の付き方だ。
「男子三日会わざれば、なーんて良く言った物ねぇ」
 ははは、と少し苦笑混じりに笑う浩之。
 さすがは目の付け所が違うというか、一発で見破られるとは思いも寄らなかった。
「…ねぇ」
 綾香の視線が変化する。
 一瞬どきっとするが、『違う』視線だ。そんな物ではなく、もっと純粋で好奇な視線だ。
「退院して、回復したら、いいかしら?」
 私と闘らないか、という誘いだ。興味津々という表情で彼を眺めている。
 浩之は聞くまでもなくそれは分かったのだが、簡単に返事はできない。
「…何を」
 綾香は少しむくれてため息をつく。
「決まってるじゃない、私と一戦。どうせ練習試合も組んでないでしょ?」
 彼女は身を乗り出して、上目遣いで彼を見つめる。
 会話の内容が、誘いの文句が別ならばこれに耐えられる男はいないだろうに…
「あ、…ああ」
 綾香はチャンピオンだ。それも、エクストリームの。
 確かに男女差があるのは認めるが、格闘技の練習も素質も彼女の方が上だろう。
 それが彼にとって戸惑いだった。
「でも」
「あーっ、もう、おとこだったらでもも暴動もいらないでしょーがっ」
 ぶち切れた。
「まだ自分の実力すら把握できてないんでしょ?だったら丁度良いじゃないの。私が見極めて上げるから」
 でも、やっぱり最後の方は甘えるような仕草になってしまう。
 美味しそうな獲物を目の前にした猫、と言ったところか。
 面白そうなおもちゃを前にされておあずけを喰らっている子供、でもいい。
「分かった。…それじゃ、詳しいことは退院してから頼むよ」
 と言って席を立つのを、彼女は慌てて見咎める。
「ちょ、ちょっと、逃げるの?」
「逃げるって何だよ、そうと決まれば練習をしとかねーと敵う訳ないからな。んじゃ」
 浩之は慌てて病室を退場した。確かにまだ来てから数分しか経っていない。
 だが、彼はその場にいることがいたたまれなくなって、慌てて外でため息をついた。
 誉められたからだろうか?
 彼は首を振ってその考えを追い払った。

  はあ

 綾香はため息をついて身体をベッドに戻した。
――以外ねー。あの浩之があれだけ立派になるなんて
 始めてあった時はただの目つきの悪い男だと思っていた。
 今日の浩之は、その雰囲気が一変していたようにも思えた。
 こう、くすぐられる物を感じる『立派さ』だった。
「早く退院できないかなぁ」
 拳が、肩が、腕がむずむずして来るのが分かった。
 

 僅かに照明を落とした部屋。
 小さな4畳程の天井。
 微かな重みを感じている。
 そして、まるで頭の中がとろけるような感覚。
 直接目で見ているのではなく、まるでビニールシートを一枚被せて見ているような、非現実的な感覚。
 小柄な気配が、むくりと頭をもたげる。
「愛してるよ」
 柔らかい、子供のような声。
 自分の胸のすぐ下に、少女の顔がある。
 だが、その表情は無邪気でありながら含む物を感じるほど魅力的な――蠱惑の笑み。
 彼女の指が後頭部に触れた。

  とんとん

 柳川は肩を叩かれて目が覚めた。
「着いたよ。約束通り、東京の料金所だ」
 彼は東名高速を東京へ向けて抜けた。
 途中何カ所かヒッチハイクして、高速道路を抜けるだけの数時間、荷物を運搬しているトラックにお願いして運んで貰ったのだ。
 お陰で十分な休養をとりつつ東京に着いた。
 隆山の山を鬼の力で疾駆した後、東京への高速を乗り次いだ事で、夜明けまでに東京に到着した。
 近づくに連れて、夢が尚鮮明になっていく。
――耕一の時よりも…
 彼は知らず知らず歯ぎしりをする。
 繋がっているときの感覚は耕一と比べると『自分である』意識と『自分ではない』意識がはっきりしないのだ。
 耕一よりも自分に近い感覚。
 恐らくそれは、彼が今感じている事よりも危険なはず。
――間違いない
 奴こそ連続猟奇殺人犯だ。
 と思うと同時に、彼の側にいる『もの』について奇妙な感慨を覚えていた。
 最初は携帯電話を通した声。
 次は、恐らく…
 彼は頭を振った。
 もう一つの感覚が彼には残っていた。それは、まるで酒を飲んだ後のような自分が自分ではない感触。
 鈍感な肌の感覚。
――…何か関係あるんだろう
 柳川は料金所の脇にある高速バスのバス停から下に降りた。
 当分警察の追っ手はないだろう。
 取りあえず、長瀬警部から聞いた『鬼塚』警部補を見たという警察署の近くまで行ってみよう。
 彼は手近なタクシーを捕まえると取りあえず出発した。
 タクシーの車内ではラジオが入っていた。
「お客さん、切りますか?」
「あ、いや、そのままにしてくれ」
 ドライバーは愛想笑いを見せて前に向き直った。
 朝早いNHKのニュースが流れている。
『…東京郊外にある工場は閉鎖され…』
 この不景気の世の中、良くある話だ。
 業界で唯一成績を伸ばしているのは精々メイドロボ部門、それも来栖川がその先頭を切っているのだ。
 今やHMを知らない者はいない。
「ああ、この辺の工場だね」
 ドライバーは言った。
「この辺?」
「来栖川の系列で、メイドロボを作ってたはずなんだけどな…」
 柳川は笑って話を流した。
 当然だろう。来栖川だって企業だ。不景気に下請けのリストラは当然行うはずだ。他の部門で業績は今ひとつだというのに。
 柳川が興味なさそうな風にするので、ドライバーは黙り込んだ。
「…ここでいいんですか?」
 次に口を開いたのは、柳川が急に止めろと言った時だった。
「ああ、すまない」
 金を払うと慌てて彼はタクシーを降りた。
 頼んだ警察署まではそう遠くないらしい。親切にも教えてくれたドライバーに礼を言うと、彼はすぐ側に立つマンションを見上げた。
 見覚えのあるマンション。
――これだ
 以外に簡単に見つけることができた。
 昨晩、奴はここにいた。
 だが、鬼の気配はしない。どうやらここにはいないようだ。
 ここで待ち受ければ、もしかしてすぐにでも捕まえられるかも知れないという思いはすぐに捨てた。
――地道に行くか…
 どちらにせよ、この辺で張り込むしかないようだ。
  彼は取りあえず周辺をまわることにした。
 警察で仕事を始めてもう7年になるが、こうして犯人を張り込むのにはまだ慣れなかった。
 地道な調査や犯人を追いつめている方が、彼にとっては気が楽なのだ。
 だからだろうか、警官としての経験よりも、鬼の本能の方が『獲物』を探る時には役に立つ。
 あの時もそうだった。
 やくざ崩れの強盗殺人の犯人を追って、埠頭に向かったのもそっちに『逃げた』気がしたからだ。
 柳川は感傷的になっている自分に気がついて自嘲すると、空腹であることに気がついた。
――取りあえず飯にしよう

 マンションが見える場所は以外に限定されていて、直接玄関を張るには当局の許可が必要な場所しかなかった。
――ふん、どうせ『気配』で分かるはずだ
 既に夢で意識が繋がるのは確認している。
 耕一や柳川と同じ程の力を持つ鬼なら、集中するだけで分かる。彼はあまり目立たないような場所に移動することにした。 
 すぐ近くに大きな公園があった。緑が多くベンチもあり、この周囲だけはまるで都会を感じさせない場所だった。
 コンビニで買った弁当を食べて、深々と座り込んで伸びをする。
 結構セールスマン風の人間が休んでいたり、特に違和感なく溶け込んでいるはずだ。
 だから気にせず、マンションの方だけに意識を向けていた。
 夕方まで何の動きもなくただ時だけが過ぎていく。
――間違いのはずは…ないんだが…
「おい」
 乱暴な声で意識を引き戻された。
 声の主は、彼のすぐ目の前に立っていた。年の頃は、そう、17ぐらいか。
 たった一人でまっすぐ柳川を見下ろしている。
「…何か」
 残念なことにエルクゥの『信号』は万能ではない。人間の心まで読むことはできないのだ。
 少年は座ったままの柳川の胸ぐらを思い切り掴んで引き寄せた。
「ふざけるな、忘れたとでも言うのか!」
 少年はそのまま投げ捨てるように柳川を突き飛ばす。柳川は無理矢理身体を突っ張ってそれに耐えると背筋を伸ばして少年を見下ろした。
 こうしていると少年はそれ程背が高い方ではない。
「人違いじゃないか、私はきみに会った事はないが」
「ぬけぬけと言いやがって」
 少年は少しだけ間合いを切った。
「なら吐いてもらうぜ、刑事さん」

  ぶぅん

 少年が不意打ち気味に振り回した脚を、まるで読んでいたかのようにぱしっと弾く。
「どういうことなんだ?」
 柳川はまだ闘うつもりはない。本気でなど、やるはずもないが。
「まだしらを切るかぁ!」
 少年は脚を意外な速さで引き戻して地面を強く蹴る。
 しまったと柳川が身体を後ろに下げたが、次に伸びてきた少年の拳がまともに鳩尾に入る。
 後頭部まで電撃が走るような良い一撃だ。
――仕方ない、納得させるしかない訳だな
 大きく間合いを取って彼は大きく呼吸をする。

  ひゅぅうぉおお

 喉が鳴る。と同時に柳川の周囲が――まだ明るいというのに――悪い冗談を見ているように重くなる。
 夕焼けの空が、濃い赤銅色の空へと変わる。
「あんまり言うことを聞かないんだったら、言い聞かせるしかないぞ」
 眼鏡の奥の目は笑っていない。
 鋭い強い眼光を見せる。
――あの時の目だ
 浩之は背筋が震えるのが分かった。百戦錬磨の執事がほんの一撃で負けた、恐ろしい相手だ。
 なのに浩之はこれを『怖い』とは思えなかった。
 まだ空手も、拳法も始めたばかりで何の役に立つとも思えない。
――逃げるわけには行かない
 音が出るほど強く拳を握りしめて、半身に構える。
 焦り。
 多分、同時に感じていたこれは、恐らく過去の自分。
 超えなければならない相手は目の前の相手ではなく、動けなかった過去。
「だぁあああああ」
 踏み込んだ。
 通常の構えは左半身といい、左手が前になる。これはボクシングでも同じで、利き腕を引いて構えておくのに有利である。
 だが浩之は右手を前にして構えている。
 これは鋭く強力なジャブが撃てるということで、ボクシングで奇襲的にとられるサウスポーである。無論、それなりの練習がなければダメなのだが。
 しかし浩之の場合は違う。
 サッカーをやっていたおかげでどちらの脚のコントロールも難しくない。
 ジャブとストレートの差に大きな物があるのは、その射程距離である。
 大きく体を開いて打ち込む必要のある後ろ手の突きは破壊力の反面、身体が真正面を向いてしまう。
 しかし、前手の突きはすぐに相手を射程に入れる事ができる上に身体をさらに真半身に切る事ができる。
 だから敢えて逆に構えているのだ。
 柳川にとってはどちらでも同じ事。全力を出し切らなくとも、まるでコマ送りを見ているような錯覚さえ起きる。
 伸びきった拳を右手で弾く。
 そのまま、身体を左にねじるように左手を引く。
「わ」
 浩之が声を上げる。
 一瞬彼の頬を柳川の右拳がかすった。

  手首に感触
 
 柳川は半身の体勢になりながら思いっきり左手を引いていた。
 彼は浩之を殴ろうとしたのではなく、初めから右腕を掴むことに集中していた。
 引き倒してしまえばもう動かないだろうという打算。

 案の定、浩之は最初に突いた右腕を思いっきり引っ張られて地面に叩きつけられる。
 柳川の右拳を外側によけざるを得なかったせいでもあるのだ。
 身体を右回転させて半身から身体を真横に切ってしまう動きに合わせられたのだ。

  とん

 浩之の胸に、柳川の脚が載る。いつでも踏み抜くことができるとも言いたげに。
「…さ、もういいんじゃないか?納得したかい?」
 柳川は浩之の右手を離して彼を見下ろす。
 一瞬の出来事に戸惑っている風ではあったが、すぐに先刻の目つきに戻ると柳川を睨む。
 僅かに体重をかけ、殺気を放つ。
「いい加減にしてくれないか?仕事中なんだ」
「ベンチに腰掛けて、か?…今度は何の仕事だ?」
 信用していないこの少年には何故か鬼の殺気が効かない。
 普通なら、僅かな殺気でもこの程度の少年なら怯える物なのだが。
「何の、ねぇ。…じゃあ聞くが、君が私に前に会ったのはいつの事だ?その時何をしていたのか言ってみるんだ」
 そう言って脚を降ろして少年を自由にすると、再び後ろにあるベンチに腰をかけた。
 浩之はゆっくり立ち上がりながら埃を払い、柳川を睨み付ける。
「一週間前、お前は俺の友人を殴って、そしてマルチ誘拐の手伝いをしていた」
 柳川はため息をついて、自分の膝の上に両手を組んで彼は僅かに身体を前傾させる。
「…男の名は?」
「鬼塚、そう名乗っていた」
 柳川は僅かに――本当に僅かに口を歪め、そして言った。
「それは俺じゃない。…今から一週間前に、鬼塚警部補は殺された」
 そう言って彼はベンチから立ち上がる。
「俺は其奴を追ってここに来たんだ。…信用してくれなくても構わない。俺の名は柳川、警部補だ」
 懐から警察手帳を出して、自分の顔写真が映っているのを見せた。
「少し話を聞かせてくれないか」
 

 次回予告

  柳川から遅れる事半日、長瀬が東京に到着した。
  「確認したかい?」
  東京のとある警察署で、彼は『柳川』の写真を突きつけられる。
  戸惑いを隠せないまま、彼は自分の弟を捜して研究所へ向かう。
  
  Cryptic Writings Chapter 3:Out ta get me 第3話『長瀬』

   そうさせて貰うよ、ああ、煙草は?

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