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りみっとぶれいかーず!――Road to the Circuit――


 第7話で使用されている語句

◆車体形式
 記号。その車特有の会社でつけられる番号とアルファベットの組み合わせが普通。
 たとえば著者のEGでは、昭和53年度排ガス規制車であるE-が付与され、E-EG6となる。
 車体番号というのはそれ以降の連番であり、EGでは100番台、110番台、130番台と呼ばれ、その以降に固有の連番がつく。
 たとえば E-EG6 1300001(後期型一号車)

◆MIVEC
 MItsubishi Valve Electric コントロールかな?コントローラーかな、どちらかの略称で、Valve Timing and lift Electric Control=VTECと物は変わらないらしい。
 三菱で初搭載がこのCA4で、1.6lエンジンで175馬力を叩き出しシビックを越えたと言われた。
 尤も、これは看板技術ではないし、チャージャー仕様のミラージュの方が言うまでもなく馬力は高く、いまいち存在理由がはっきりしない。
 多分ホンダとの対抗意識ではないか、と。
 ホンダがターボを開発しない最大の理由(過去にはシティターボ等あったでしょ?)はこのVTECによる。
 開発陣が『必要ないから』とまで言い切った、その技術力に乾杯。
 ターボVTEC、市販して欲しいんだけどなぁ……

◆レブリミット
 結構前から普通に使ってたけど、説明してなかった(笑)
 レブ=Revolution(回転、の意味で捉えてね)であり、エンジンがブローしないように設定される制限のこと。
 通常レッド以降に設定されている。が、過去のL型は通常はレッドまで回らなかったし、あまり意味のない制限装置だった。
 ホンダのエンジンがブローするのは『回転しすぎるから』だとか。
 ともかく、回転数が過ぎると燃料をカットして停止させるのが普通。
 某社では燃料ではなく電気系をカットする社外品もある。

◆パワーバンド
 使うトルクが存在する場所、回転数で表される。
 たとえばB16AであればVTEC以降から馬力のトップまでがこれにあたる。
 要するにエンジンのトルク最大値の前後、フラットな部分を指して言う。
 CVTのように回転数を変化させることなく変速できる場合、通常使いにくい高高回転型のレース用エンジンですら扱いやすく出来る。
 普通フラットなトルク特性のエンジンは、このパワーバンドが広いと言えるだろう。

◆アクセルをだんだんと…
 ヒールアンドトーと言う技術の前にある『ダブルクラッチ』のこと。
 一度クラッチを切ってニュートラルに戻し、そのままアクセルを踏み込んで回転数と速度をあわせてからシフトダウンする技術。
 たとえば60km/hで5速2000回転で走っている時に1速になんか、回転数差が6000近くあって、シンクロが一生懸命頑張っても入らない。
 こんな時、クラッチを切って一気にレッドまでエンジンをたたき込んでからクラッチを切り直してチェンジしようとすると、すこっと綺麗に入る。
 ダブルクラッチは手間だが慣れればシフトダウンがなめらかにしかも早く行うことが出来る。
 シンクロのない時代や、大型の車では未だに忘れてはならない必須技能。
 ヒールアンドトーってのはさらにブレーキを踏まなければならない為、『そう言う走り方』をする人は必要かも知れない。
 時速150km以上の世界の住人は必須だろうね。普通はいりません。
 なおさらに一歩踏み込んだ『ノークラッチシフト』というのもあるが、普通の車じゃ壊れるのでしちゃ駄目です。
 方法としては、加速から減速に変わるバックラッシュの瞬間にニュートラルへ、次に速度と回転数をほしいギアに合わせてやればおっけー。
 某まんがで有名だけど、ミッション逝っちゃう。

◆EG系特有の
 ホンダはこの時代から曲面で構成された車を発表する。
 基本的には外見の事を指しているんだが、マイナーチェンジされた場合大きく技術変革が行われるのもしばしば。
 1991年、曲面で構成された車体が製造されるようになり、エンジン・ブレーキ等システムも向上程度。
 1996年には大きく変化したのはエアバッグ・ABSの全車両搭載、2001年であればシャシー・エンジンが大きく変化した。
 全く別物と言っても過言ではないだろう。

◆チャージャー
 スーパーチャージャーのこと。
 過給器と違い、クランクに直結したコンプレッサーによって吸気を加圧する。
 低回転域から連続的に加圧できるため、リニアな特性が発揮できるという。
 尤もクランクと繋がっているためにどうしてもロスになりがちで高回転域が苦手になる。
 現在開発されている『電気ターボ』と呼ばれる、タービンにモーターをつけたものも登場している。
 これはアクセルオフ時に回帰電流を回収する事で省エネを図ろうと言う物らしい。

◆2.6リッターの
 エボは2リッター直列4気筒FFベースの4駆で、強力な電子武装を持ち、端からPCCS(ポスト・コンバッション・コントロール・システム)と言うミスファイアリングシステムを持つ。
 但しGTRは直列六気筒であり、回転バランスやFRレイアウト、ホイールベース等比べるべきではない車である。
 むしろランエボと並べるなら水平対向であるインプレッサの方がランエボには近い。
 GTRとは全く色の違う車である、と俺は思うんだが…

◆自然吸気
 N/A(ナチュラルアスピレーション)エンジンで、ターボ等加圧しないエンジンのこと。
 VTECは高回転型エンジンと低回転型エンジンの二つの色を持つカムを利用することで低域から広域まで使いやすいエンジンを実現。
 馬力が高いのは回転数が高いため。最近のD型エンジン(SOHC)は馬力を落としている事から、トルク重視に振っている物と思われる。

◆歪だ!
 ホンダの技術者というのは、『走る楽しみ、喜び』の為に車を作ることの出来る希有なメーカー。
 開発費用をがんがん投資したところで惜しいとも思わない性格らしく、噂先行の雑誌では次の新車情報はぼやけてしまっていたりする。
 だって、しっかりチームが作ってたものを『ぽいすて』できるのである。
 他にも採算度外視したものを作ることでも有名である。
 レカロがFRPのバケットシェルを提出したのを蹴って、カーボンアラミドのシェルで作成してあっさりおっけーしたり、人間の手でエンジンを作ったりボディを叩き出したり。
 その、惜しみない開発風景や、他の企業にない真剣な姿勢(企業的には首を傾げるんだが)がファンを産む。
 多くのNSX-Rファンが熱狂的である事も、一因としてふまえるべきかも知れない。


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