Cryptic Writings
Chapter:4
第0話 予告編
人間は、自分の存在を確かめるように生きている。
東京近郊。
何の変哲もない、町並み。平和と共存した危機があちこちに溢れる街。
夢
『一件目』
電子音の後、聞き慣れた声が聞こえた。
『ああ、耕一?えーと…11月21日からの休み、行くから』
唐突な梓からの電話。
「…ごめん」
耕一が口を開こうとすると、梓が小声で言った。
「あたし…その…急に押し掛けて、ごめん」
現
だが存在とは、自分で認識するだけでは存在とは言えない。
「…そう…なんですか…」
千鶴は急に力が抜けたように両肩を落とした。
「ええ、恐らく」
幻
存在が存在として確かめられるには、他者の確認が必要になる。
――…繰り返さない自信が俺にはないんだ
幾つもの過ちと、繰り返される苦しみの連鎖。
それから逃れるには、ただひたすら足を進めるしかないのか。
偽
自我が他者との境界を失った時、恐らくそれは恐ろしい永遠の孤独。
満たされた永遠の孤独を。
「…ユウ…今どこにいるんだ…」
虚構と現実。
幻と夢。
偽と嘘。
――お前達の墓標には、もったいないほどの名前だ
虚
嘘でもいいから、刹那的に自らの存在を証明するものを欲しくなる。
『コード1092と現在交戦中 頭部損傷 現在72%の損害を受けました 自爆の許可を』
『…許可する』
そして彼は全身の筋肉に音を立てさせる。
鬼の力を解放に近づけるのだ。
「取りあえずこいつらをやっちまおう」
今の彼女の格好は、タイトなジーンズに簡単な上着だけ。
「風邪ひいたらお前らのせいだぞ」
Cryptic Writings
chapter 4:Sweet Child o'mine
「姉さん、だから姉さんにお願いしたいの。…耕一さんの事、好きなんでしょう?」
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