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ましろとまくら 制作秘話

もそもの始まり

 今でこそそれほど活気はないが、過去には恐らく世界最大の作家が集う図書館『りーふ図書館※1』のチャット※2が始まりだった。
 端キャラ※3談義に盛り上がっていた時。
「なにかリクエスト有る?」と言ったのが運の尽き。
 リクエスト受けの多い、さらに崖※4作家であるAIAUS※5サマから
「まじかるアンティーク※6の、あの兎の皿の女の子※7で」
 とのリクエスト。
 自分は今までにリクエストを受けて書かなかった事は一度しか※8ない。
 確かに話には※9聞いていたので、書けないはずはない。
「判りました」
 と返事を返し、すぐに設定にかかった。

 この後、丹石緑葉氏※10にメールで連絡。
「悪い、かくかくしかじか※11」
「判った」
 画像ファイルごと、ゲーム中本文データを丸写しさせて※12受け取った。
 大感謝。

期設定

 『実はまだ』※13辺りは、まじアンの雰囲気を崩さないつもりで、ちょっとした小咄にするつもりだった。
 だから、第3話辺り※14まではキャラクタが完成していない。
 今見てもおかしな気がしないでもない。
 ましろを見た第一印象から『おとなしい』『まだ生まれたて』というイメージを構成した。
 キャラクタも作らずに書いたのが第1話だったし※15。
 第2話以降キャラクタの方向性が完全に固まったので、それがはっきり出てきてる。
 反応は、水方サマ※16からの「私はぷに※17属性※18じゃないんですが」と言う曰くの第7話。
 それ以外の反応は一切ないのでよく判らないんだけど※19、今では自分の代表作※20の一つに数えたい※21。
 ただまじアンの魔法理論※22を把握していない※23のでどこまで書けるのかが心配だった。
 まぁ、杞憂に終わった※24が。

しろ

 ましろそのものは実際に存在※25し、ある程度話をしているのでキャラクターは固まっている。
 だから、『実はまだ』は自分にとっては当然書くべき※26SSであり、まぁいわば普通の※27SSだろう。
 それだけで引いても、でもAIAUSサマのリクエスト※28には応えた事になる。
 だが『それは逃げだ!』と言う心の、魂の中の叫びが俺を引き留めた。
 『まくら』を書かなければ、真の意味で端キャラを作った事にはならないのだ!という。
 まくらはましろの双子の妹で、生意気であるという一点しかキャラクタイメージが存在しない。
 そう言う意味ではましろの存在は、まくらの為にあるようなものである。
 だから、真の意味でましろはまくらのオリジナルなのだ。

くら

 まくらをキャラクタとして完成させたのは第3話。『ぷに』になったのはおとなしくて生まれたてで生意気が全部固まった時だった。
 何でもかんでも聞きたがる子供をそのまま走る筆に乗せて文章にした、のが彼女の本当の誕生だった。
 ましろが『白』だからまくらは『黒』、どこが黒いのかを考えるにはやっぱり『髪の毛』だろうなぁと単純に考察。
 初めは肌が浅黒いようにしようかと思ったけど、最近流行からはなれているので却下した。
 それに、『真っ黒』なんだから、肌の色で区別するより『漆黒の髪』の方がいいじゃん。

後に

 ましろとまくらを生んだのは、AIAUSサマの一言であり、そのままシリーズ化したのはその魅力だったんだと思いたい。
 『もうほとんどオリジナルでしょ』とまで言い切られてしまう有様だったこの話も、りーふ系最後のSSとして締めくくるには良い作品だった。
 雫、痕、To Heartに代表され、こみパ、まじアンと非難されつつもそれなりの評価を得たこれらの作品は、様々な影響を与えた。
 良くも悪くも、リーフというブランドが残した影響は同人をやる人間にとって逃れられない物だっただろう。
 その下地があって、月姫が爆発したのではないか、とも考えている。

 私は創作は止めない。だから、創作をする人間を応援したい。



文中注
※1 りーふ図書館の存在は六年近く前まで遡る。最
も盛況だった頃は一時間でログ流れするという程書き込まれていた。
かく言う自分も、一週間かからず流れる1999年代にでびう。
※2 WEBチャット。図書館ではまだ常連メンバーのチャットが行われている。
※3 メインとの対極にあり、普通のヒトは目にしない物。例)ぽに子
※4 エロではなく、そのすれすれに近いぎりぎり『崖っぷち』作家という意味らしい。
※5 SS量産工場。
※6 そういう作品があるらしい。
※7 格好だけ。実際には精霊みたいなもの。
※8 現在作成中。『ヤサシイヒカリ』ロング版。
※9 出逢った事はない。
※10 彼から話を聞いていたため。この『ましろとまくら』の真の生みの親。
※11 有名な言葉。この呪文を唱えると、説明する必要なくあいては理解してくれる。
※12 ゲーム中本文を、ランダムイベントなのでわざわざ繰り返しプレーしてもらった。
※13 記念すべき第1話。
※14 夏の海に出かける話。ここでまくらは『知らない物に対して非常に興味津々』という設定が生かされている。
※15 話が『短編連作日常コメディ』となったのはこの理由。
※16 銃器に関しては左にでるものしかいない、TRPGマスター。
※17 幼子の頬がぷにぷにだから?らしい。
※18 アライメントではない。自分が萌えるものを指して言うらしい。
※19 『血塗れだけな作家じゃないんですね』という反応はあったが(笑)
※20 Cryptic Writingsがあまりにハードだったので、並べると凄まじいので。
※21 もうりーふ図書館がしぼみ始めた時期だったのでちょっと控えめに。
※22 魔法の記述が少ないため、よく判らないから。
※23 私の論理魔導は曖昧なものとして魔法を捉えないので、曖昧なままのまじアンは解釈できないのだ。
※24 第9話参照。
※25 彼女が五月雨堂に訪れる。
※26 すみずみまで設定や文章を見て、重箱の隅をつつきながら話を組み立てる『マニアック』な書き方。
※27 オリジナルが一切噛まないから。
※28 端キャラSSを書く訳であるから。でも真の意味で端のキャラは、顔すら出てこない『まくら』の方がより端であるという葛藤。


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