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大志

 偶然テレビをつけると、ニュースをやっていた。
「どこかで見たような風景じゃない?」
 隣で瑞希が言う。
 確かにどこかで見た気がするが…
『本日20時前後、○○住宅から出火がありました』
「酷いね、このやけ具合とか。住んでた人間は大丈夫かな」
 大丈夫じゃないだろうな。
 和樹が答えようとして、見覚えのある門柱に気がついた。
 これは――そう、久品仏大志の家だ。
「これ、大志の家だよ」
 ああ、と瑞希は手を叩く。
「ああ、誰かと思えば」
 原因は不注意による出火だそうで。
「また。酒でも呑んでいたんじゃねーの?」


『○○住宅はほぼ全焼し、住んでいた久品仏大志さん(19)は出火当時、自分に酔っていたそうです』

「ははははははは、まい同志!はぁっはっはっはっはっはははははははは」
 そして今現在、病院で彼は笑っていた。


 いつものことやんか。


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