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ぽややん速水君 第7話 すかうと


 実は昨日の出撃で、舞と速水君ののる復座型は攫座してしまった。
 だから今日の出撃は、武尊でスカウトとして出撃だ。
 慣れない武装に、ひっさつの精霊手を装備して。
「よし、全機リフトアップ」
 いつもよりも、機体の数が少ない。
『お前が攫座したからだぞ』
 鋭いつっこみが――何故、舞は戦車に乗っている?――速水君に飛ばされる。
『だって仕方がないじゃないか。…それより舞、実は聞きたいことがあるんだ』
 速水君の思いがけない真剣な口調に、舞は通信機のボリュームに手を伸ばした。
 そして後悔した。
『りてるごるろけっとのりてるごるってなにかな?』

  ざぴっ

「いいからさっさと飛んで行けっっ」
 若宮の蹴りでロケットが動作して、通信機にとてつもなく大きなノイズが走った。
 情けない速水君の悲鳴と共に。

 水俣戦区:圧勝
 当分舞は話してくれなかった。
「りてるごるってなんや〜」


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